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2021/11/26

人の命を預かるということ

飛行機の訓練が自動車の教習と大きく違うところは、
免許を取る前から一人で飛ばせるということだ。
いちおう教官の監督下においてということになるが、
訓練生がドジを踏んでも地上の教官は何もできない。
教官というのは、何とも胃の痛い仕事だと思う。
Flight_392_1_1 
僕は飛行機の前にハンググライダーで飛んでいたので、
一人で飛ぶことにはほとんど不安はなかったし、
多くの人が感動する初ソロフライトの喜びよりも、
「バレて水かけられないようにこっそり帰ろう」とか、
そっちの方が重要だった。
しかし車の場合は免許を取ったあとが初ソロで、
もちろん教官が見ていてくれるわけでもない。
こちらは「本当にいいのかなあ」と思った。
Flight_393_1_1 
初ソロの次に緊張するのは、初パッセンジャーだろう。
人の命が自分の手にゆだねられるという責任の重さは、
何もバスや旅客機を操縦するプロだけに限らない。
最初に乗せて飛んだのは元航空自衛隊のパイロット。
民間ライセンスを取るためにアメリカに来たという。
飛行学校の社長に、
「このへんを案内してあげてくれ」とまかされたのだ。
Flight_394_1 
アメリカのATCの手順とかローカルルールとか、
周辺の空港とかを適当に案内したと思う(忘れた)。
しかし、いよいよ着陸というときに何となく不安を感じた。
幸いに相手もパイロットだ。ちゃんと相談した方がいい。
「なんか忘れてないかな」
「フラップ出ているし、車輪出ているから平気でしょ」
それを聞いて、プロはシンプルでいいな~と感心した。

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