「食」の試行錯誤
出張では高確率でコンビニメシで済ませているが、
若い頃にはいろいろ試したことを思い出した。
初めて馬刺を食ったのは大学を出た年のことだ。
取材で行った長野で、イナゴやザザムシと共に。
それまで生肉や虫を食う習慣がなかったので、
「うっ」と思ったが、とりあえず経験だと思って食った。
その後も兎や鹿、ワニやカンガルー、カエルや鳩とか...。
ゲテモノ(といったら失礼だが)ばかりではなく、
フランスではちゃんとフルコースを体験しておきたいと、
現地の人に「おごるから」とお願いして、
実地訓練がてら高級レストランに行ったこともある。
若いフリーランスにはかなり苦しい出費ではあったし、
わざわざ締めたネクタイは板についていなかったろうが、
テーブルマナー教室とかよりは実践的であったと思う。
もちろん、それまでの常識が覆されるくらいに、
猛烈においしいモノを食って驚いた経験もあるが、
与党政治家でもないのに、そんなものは何度も食えない。
費用対効果では、カメラとか買った方がいいし
(カメラを買える金額とか、すごいよね....冷汗)。
という経験をした上で、いまはコンビニメシで幸せだし、
取材に同行者がいる場合には「なんでもいいよ」と
相手に合わせる(コロナ以後は一緒にメシも食わないけど)。
たまに、その消極的態度が気に食わないらしい人もいて、
「好きな食べ物とかないんですか」と、
ややトゲのある感じで聞かれたこともある。
もちろん、好きな食べ物はたくさんある。
ワッパーとか牛丼とかメンチカツとか銀座カレーとか、
誕生日には宅配のお寿司がすごくおいしかった。
「意外に庶民的なんですね」と拍子抜けしたようだが、
試行錯誤で浪費した末の結論だ、とは説明していない。
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