「航続距離」は目安
メーカー資料にも書いてあるし、自分でも記事に書くけど、
いつも「やれやれ」と思うのが航続距離の数字。
たとえばあなたが飛行機を買ったとしても、
たぶんマニュアルには航続距離なんて書いてない。
また書いてあったとしても、目安程度にしかならない。
ある高度、エンジン出力ごとの燃料消費率は書いてある。
離陸時や上昇中は、こんだけになりますよとも書いてある。
そのときの対気速度も書いてある。
ならば燃料満タンでこれだけ飛べるという計算はできる。
しかし定員いっぱい、荷物いっぱいで燃料満タンにしたら、
最大離陸重量を上まわってしまうこともある。
そんなときには燃料を減らさないと離陸できない。
もちろん飛べる距離も短くなる。
ではカタログスペックの航続距離はどちらを意味する?
さらには実運航では向い風ならば飛べる距離は短くなるし、
追い風ならば飛べる距離は長くなる。
これはカタログスペックには反映しないのが普通だけど、
積まなければならない予備燃料と共に無視できない。
予備燃料は、目的地に着陸できない場合に
別の飛行場に向かうために必要な燃料だとか、
空港上空で待機するための燃料だとかいろいろだ。
最低量は法律で決められているから無視できない。
では、カタログスペックはそれを反映しているのか?
いろいろ面倒くさいでしょ?
もちろん目安としてのカタログスペックは便利だ。
747-100以下の「航続距離」しかないオーバーチュアが
太平洋を無着陸で横断するのは無理だなとすぐにわかる。
でも、そのスペックの細かな数字の違いまでは意味がない。
「こっちだと7534kmだけど、こっちでは7421km」とか、
「そんなもん、どーでもいいよ」と言うと怒られるけど。
でもいーんだよ、そんな端数、どうせ目安なんだから。
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