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2021/05/27

遠きにありて思う島

Us2_725_1 
空港のない小笠原で急患が出た場合には、
海上自衛隊のUS-2飛行艇やヘリコプターで運ぶ。
ヘリの場合は硫黄島で固定翼に乗り換える。
US-1の頃から、旅客型を作ったらという人はいたが、
まったく現実的ではない。型式証明取得は困難だし、
機体価格だけでなく、手間や運航費もベラボオだ。
とても民間が商業ベースで飛ばせるものではない。
Us1_008_1 
開発中のATR42-600Sができても容易ではない。
航続距離1300~1500kmというのを鵜呑みにしても
(数字の前提となる条件がまだわからん)、
羽田~小笠原の往復フライトはとても無理だ。
グーグルマップで測る片道の距離が約1000kmもある。
Atr42_012_1 
となると小笠原で帰路の燃料補給が不可欠だが、
給油施設を作ってタンカーで運ぶの、大変だよ。
価格も、軽く本土の2倍以上にはなるだろう。
ちなみに南大東とか多くの離島空港にも燃料施設はない。
陸続きの天草空港にすら燃料施設はない。
天草エアライン機は熊本空港で燃料を補給している。
Amx_115_1 
八丈島で満タンにして、小笠原往復はどうだろう。
しかし、この区間だけでも片道約700km強はあるから、
往復フライトはちょいと厳しい。
ならば270km先の硫黄島経由で往復? Forget it.
Hac_006_1 
着陸できない場合の代替空港も考える必要がある。
小笠原上空まで行ったら八丈島にも戻れないから、
途中にPSR(安全帰還点)でも設定しないと。
おまけに八丈島空港は気流が悪くて欠航の多い難所。
やはり羽田に戻る前提でプランを組むか。

気軽に行けて貴重な自然が観光客に荒らされるよりも、
そこそこ大変なままの方がいいような気もするけど、
島民の7割は空路を望んでいるという調査もあるそうだし。

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