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2018/05/29

エンジンを前に、高く吊る

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1967年に初飛行した737オリジナルは
細いエンジンを翼の下に、ほぼべったりとつけていた。
これ以上、太いエンジンをつける余裕はない。
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そこで737クラシック(1984~)はパイロンを前に伸ばし
効率のよい大直径エンジンを主翼前に吊れるようにした。
それでも地面との間隔が十分ではなかったので
エンジン下部や空気取入口を偏平につぶしていた。
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737NG(1997~)は脚を伸ばして地面との間隔を広げ、
さらにエンジンパイロンの形も改良した。
空気取入口は丸くなり、エンジンの効率もよくなった。
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エンジンを前に高く吊るのは小型機だけの苦肉の策ではなく、
大型の777(1995~)でも採用された。
787など以後の旅客機でも同じようにしているものが多い。
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エンジン、パイロン、主翼の干渉とか、
それなりにむずかしく、挑戦的な部分だとは思うが、
30年以上も前からの、おなじみの手法でもある。
だから新型機のお披露目で「特にそのへんをよく見て」と
エンジニアから自慢げにアピールされたときには、
さらに何がすごいのだろうかとしみじみ眺めて考えた。
さんざん悩んでも、よくわからなかった。
そこで「降参です、どこがすごいのですか」と聞いたら、
「太いエンジンを吊るためにパイロンを高くしている」と。

「ああ・・・」と、思わず絶句してしまった本当の理由は、
たぶん気づかれなかったと思うけど。

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