フィルム時代の露出決定
フィルム時代、日中の屋外飛行機撮影では
露出は基本的に目分量で決めていた。
カメラの露出計はあまりアテにならなかったし、
飛行機撮影はシンプルなので目分量でもイケたからだ。
まずは基本となる露出値を決める。
たとえばISO64で快晴順光ならば1/500のf8だとか、
曇天ならば1/125でf5.6だとか。
ただし晴れていても薄い雲が広がっていることもあれば、
うんと暗い曇天もある。このへんを目分量で調整する。
とはいえ人間の目は明るさに順応してしまうので
感覚だけに頼っていると失敗する。
そこで、たとえば影がクッキリとできているならこのくらい、
影が薄ければこのくらいとか自分なりの基準を作る。
ここで注意しなければならないのはフィルムの種類。
露出に迷ったときに、コダクロームならアンダーめ、
ベルビアだったらオーバーめの方が成功率が高いとか
フィルムごと、条件ごとにいろいろクセがあった。
だからデジタルに移行したときには途方に暮れた。
フィルムでいえば何に相当するのかと。
僕なりの結論は、
「どのフィルムにもあてはまらない」ということで、
それまでの経験はほぼ役に立たなくなった。
ただし自動露出が賢くなって、結果もすぐに確認できる。
だから「この条件ならこのくらい補正」という感じで撮って、
現像時に調整できる範囲なら神経質になることもない。
露出の目分量も無用になったノウハウのひとつだけど、
瞬間的な補正量の決定には少し役に立っている。
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