エネルギー保存則
航空工学を勉強すると飛ぶのが楽しいと書いたが、
生半可な理屈が迷いを生じさせることもある。
初めてのグライダー操縦ではファイナルの高さにビビった。
高すぎる。かといって機首を下げても、
高度エネルギーが速度エネルギーに変わるだけで、
滑走路を大幅にオーバーしてしまうだろう。
これは降ろせそうもないしゴーアラウンドもできない。
グライダーでもスリップさせて降ろしてもいいのかな?
悩んでいたら、「これでいい、ダイブを引け」と後席の教官。
ハング出身の僕は「おー、これはすごい装置だ」と思った。
<主翼の上下に立っているのがダイブブレーキ>
ハンググライダーにはこういう便利なものがない。
だから事前の高度処理を綿密に行う必要がある。
いつも僕はそれで緊張した。ところが他の人を見ると、
高すぎても無造作に機首を下げて突っ込んで着陸する。
半信半疑でマネしてみたら、とてもうまくいった。
ハンググライダーは高速での抵抗増加が大きいから、
思い切って加速することでエネルギーを浪費できるのだ。
まあ、競技用の低抵抗機は知らんけど、
そういうのに乗る人は高度処理もうまいんだろう。
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