航空工学不要論
以前、加藤寛一郎先生がどこかの本に、
航空工学の役割はもう終わったというようなことを書いていた。
「かもしれないなあ」と、航空工学を専攻した僕も思った。
今どきの飛行機の性能向上は、材料の進歩だとか、
コンピューターの進歩だとか、そういうことに多く依存している。
決して「航空工学の進歩」によるものではない。
そもそも航空工学なんてあるのか。それは昔からの疑問だった。
大学の授業の中身は、材料とか流体とか制御とかのゴッタ煮。
航空とは冠しても、ピュアに「航空」などという学問はない。
いろいろなことを飛行機に関連して学べるのは楽しかったけど、
どれも「その道の専門」と比べると弱いのではと感じていた。
だから、加藤先生の指摘にはしみじみしてしまったのである。
が、今はやっぱり航空工学はあっていいと考えている。
というより、必要不可欠であると確信している。
飛行機を作るためには、ゴッタ煮的な知識や技術を
「航空」という芯で束ねられるということが重要になる。
それが、たぶん航空工学を学ぶ理由なのだ。
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