思い込みの呪縛
思い込みというのはおそろしいもので
いったんハマると、抜け出すのに苦労する。
僕もジンクロのことで、無駄に悩んだ時期があった。
<P-51Bの装弾パネル。黄色っぽいところがジンクロ>
ジンクロというのはプラモデルを作る人にはおなじみだろう。
よく米軍機の機体内部に塗られている黄緑色の錆止め。
ジンク・クロメート(クロム酸亜鉛)を略してジンクロだ。
英語の資料を読んでいたら、
「ジンクロという言葉はペイントカラーではなく
保護コーティングのことである」と書かれていた。
ところが「ペイントカラー」を「ペイント」と誤読してハマッた。
保護を兼ねてペイントすることは珍しくないのに、
わざわざ「ジンクロは違う」と断るほどの理由があるのかと。
<747-8のコクピット骨組み。全体にジンクロ処理済>
それから機会あるごとに整備士さんに聞いてみた。
「ジンクロって塗料みたいに塗るもんじゃないんですか?」
「塗るもんですよ」
「でも・・・・」
整備士さん、何を言われているのかと困ったことだろう。
<X-45Aのウエポンベイ。色あいの違うジンクロが見える>
要するに、ジンクロという色があるわけじゃないよという、
ただそれだけの、当たりまえの話だったんだけど。
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