オフィシャルカメラマンの功罪
ヤクザではないが、カメラマンにもシマがある。
たとえばお膳立ての段階から実現のために尽力した、
そんなイベントはそのカメラマンのシマだと尊重している。
商売とはいえ、それまでの労力は並大抵ではなかろう。
そうして実現したイベントを取材するときには、
他人のシマで商売をさせてもらっているという気持ちになる。
反論もあろうが、僕はそう思っている。
もちろん、負けない写真を撮ろうという気持ちは捨てないが。
イベントだけでなく、これぞと思った人材に注目して
励ましたり金集めに奔走したりと苦楽を共にしながら
大きく成長させていこうというカメラマンもいる。
そういう場合、有名になっても他のカメラマンは排除しない。
自分が関与したイベントや人物に、さらに成功してもらうには、
多くの人に多角的に紹介してもらう方がいいからだ。
そうして被写体がビッグになれば、カメラマンにもメリットがある。
大きく育ったネタのオフィシャルは羨望かもしれないが、
それまでは簡単ではない。なんならやってみたらいい。
一方で、意味なく排他的なオフィシャルがいることもある。
以前、知人の編集者がとある航空会社に取材を申し込んだら、
「うちは○○さんがオフィシャルカメラマンなので、
そちらの写真を使ってください」と言われたそうだ。
他のカメラマンを排除する理由はよくわからないが、
そういうことならばと、企画もとりやめに。
こうなるとオフィシャルカメラマンは成長の阻害要因となりうる。
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