F8F改造コンクエストI
グラマンF8Fベアキャットの改造機コンクエストワンは、
かつて世界で最も速いレシプロ機だった。
僕が小学生だった1969年に世界速度記録を樹立。
パイロットは、あのダリル・グリネマイヤーである。
ちなみにそれ以前の記録は
戦前にドイツのメッサーシュミットMe209V1が樹立したもの。
だがジェット時代にはプロペラ機の速度競争はあまり意味がない。
Me209V1の記録は永遠に保持されるかと思われていた。
僕が初めて渡米した1977年に、
グリネマイヤーはRB-51レッドバロンを駆ってリノで優勝した。
その年に僕はNASM、スミソニアンでコンクエストワンを見た。
もうレースからは引退して、優雅に殿堂入りしていたのである。
ところがその後、レシプロ機の速度記録はRB-51が打ち破り
さらには同じくF8Fを改造したレアベアが打ち破った。
最速ではなくなったコンクエストワンはNASMから姿を消した。
世界一のNASMの場所取り競争は、なかなか厳しいのだ。
その後NASMはダレス国際空港に隣接した別館をオープン。
広くなったスペースにコンクエストワンの展示が復活した。
僕らオッサン世代のヒーローと、また会えるようになったのである。
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