眺望の代償
<ボーイング707の胴体構造。窓の周辺は、他よりもゴツい>
たいていの旅客機の胴体はセミモノコック構造といって
縦横に通るフレームと外板とを組み合わせて強度を保つ。
窓をつけるために外板に穴を開けると強度が落ちてしまうから
その周辺は補強してやらなければならなくなる。
つまり窓なんかつけると重くなってしまう。
理屈ではわかっているが、実際に見ると「なるほどな~」と思う。
<上の707の胴体構造を、横から見たもの>
矢印Aの、白い線のように見える部分が普通の外板部分だ。
A’は展示用の説明パネルだから無視してかまわない。
飛行機の外板は、ずいぶんと薄くできているんだなとわかる。
しかし窓の周辺は外板も厚くしないと強度を保てない。
矢印Aに対して矢印Bのあたりはかなり厚くなっているし、
さらに窓の並ぶ高さである矢印Cのあたりはもっと厚い。
これは見るからに重そうだなと思う。
設計者はできることなら窓なんかつけたくないだろう。
しかし、窓のない旅客機では航空会社は買ってくれない。
そこで渋々ながら大きな代償を払って窓をつけているのである。
せっかくなんだから、ちゃんとシェードも開けようよ(笑)。
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