零戦も強かったけど
こんなすごい戦闘機があったのに、どうして戦争に負けたのか。
延長展示の決まった所沢の零戦を見た人に聞かれたことだ。
当然の疑問かもしれない。さて、どうしてだろう。
できれば1995年のように、P-51も持ち込めばよかった。
あのとき僕は、絶対に勝てる戦争じゃなかったと実感したのだ。
<レッドバロン・エアショーは1995年5月3日からスタートした>
昔、撃墜された米軍機の残骸を見て驚いたという話をよく読む。
たぶん僕の驚きも、それに近かったのではないかと思う。
コンテナから出されて組み立てられる一部始終を間近に見た。
部品ひとつひとつの、工業製品としての質の差は一目瞭然だった。
もちろん、それがそのまま戦闘機の強さを意味するとは限らない。
けれども竜ヶ崎から北海道にフェリーするフライトで
P-51は零戦と並んで飛ぶためにずっとフラップを下げていた。
旋回半径を云々する以前に、これでは勝負にならない。
それは烈風が実戦化されていても、たぶん変わらなかったと思う。
工業力(それは大量生産能力だけではない)の差は、
そう簡単に縮めることはできないのだ。
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