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2013/02/12

イカはしゃべるし、空も飛ぶ

ちょっとまぎらわしい報道が相次いでいたので
当事者ではないけど、僕なりに記しておきたい。
それは北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの
山本潤助教らのグループが、イカの飛行の「連続撮影」に
世界で初めて成功したというニュースだ。
その事実を拡大解釈したのか、誤解したのか、
あるいは知っていてわざとなのか、お粗末にも無知なのか、
世界で初めてイカが飛んでいるのが撮影されたかのような
馬鹿なことをいったり書いたりするメディアが続出している。
それを放置している北大チームの良識もいかがなものかと思うが。
Ika_fly_001
イカの飛行中の写真は、とっくの昔に撮影されている。
僕が持っている講談社ブルーバックスの表紙にもなっている。
1989年発行で、著者は東京水産大学の奥谷喬司教授(当時)。
表紙撮影は動物写真家として有名な岩合光昭さんで
さらに古い1981年のアサヒグラフで発表されたものという。
それが「連続写真」であったかどうかは僕は知らないが、
プロカメラマンに常識のモータードライブ(もう死語なのか?)で
連写していた可能性は高いのではないかと思う。
少なくともイカが飛ぶのは昔から知られていたのである。
Ika_fly_002
素人は、簡単に踊らせることができるかもしれない。
けれども科学の分野で、そうした先人の業績を踏みにじるのは
とても失礼なことであると僕は思う。

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