絵に思いをこめる
<フライングタイガースのP-40に書かれた「翼の生えた虎」>
あんまり強そうに見えないのは、
ウォルト・ディズニー・カンパニーでデザインしたものだからかな。
<DC-3の「バズ・バギー」は、騒々しい乳母車とでも訳すのか>
これはさらに強そうじゃないけど、鈍速の輸送機だからね。
<P-38の「タンジェリン」は「みかんちゃん」くらいの感じだろうか>
やっぱりぜんぜん強そうじゃないけど、もし僕が撃墜されるなら
強そうな絵の飛行機よりも弱そうな絵の飛行機にやられる方が
ずっと悔しいだろう。そういう、嫌がらせで書いたのかも(笑)。
<アルバトロスD.Vの竜は、稚拙さがむしろ凄味を出している>
兵器の中でも、特に飛行機には昔からよく絵が描かれてきた。
第一次世界大戦のドイツ機なんか、サーカス団もどきだった。
うまいヘタに関係なく、そこにはチームの一体感や機体への愛着、
戦意、縁起かつぎ、故郷や家族、恋人への思いなど、
さまざまなものが凝縮されているのだと思う。
<「ヘタウマ」の逆、「ウマヘタ」かと思うかわいくない子猫ちゃん>
こうした絵には、いつの時代にも批判的な声があった。
最近はアメリカでもロービジだの何のと堅苦しいことをいっている。
飛行機に絵を書くのは航空隊の文化のようなものと思うのだが
世の中がせちがらくなっているのだろう。
実際に戦うのは外野でケチをつける連中ではなく、
絵に思いをこめ、そこに乗り込んで命をかける若者たちなのだけど。
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