APSとATC
僕がAPSにこだわるのは機材がコンパクトになるからだ。
カメラボディの大きさはフルサイズ機でもたいして変わらない。
しかしシステムとして、トータルでの差はきわめて大きくなる。
たとえば先日の取材では縦グリップつきのEOS7D×2台と、
魚眼から超望遠640mm相当までをカバーするレンズ5本、
それに2泊分の着替えや、ひげそりなどの身だしなみ用品を
機内持込みサイズのカメラバッグひとつに収めていった。
まだ×1.4くらいは入ったから、900mm相当までは平気だ。
フルサイズ機では、とてもこうはいかない。
「無理しないで荷物預ければいいじゃん」と思うかもしれないし、
僕だってもちろん預けることはある。
けれども最近の国際線、特にタイトな乗り継ぎがある便では
僕は荷物の不着を、たぶん消費税以上の高率で経験している。
なくされたわけではなく後からちゃんと届き、また帰国便だったが
これから仕事という行き便だったら致命的だったろう。
もちろんAPSでも、荷物はぎりぎりまで絞り込む必要がある。
だからエアバンドレシーバーすら持っていかない。
外周撮影では、たいてい誰かがエアバンドを聞いているから、
その人の動きを見ていればだいたいわかるし(笑)。
本当はスピーカーにしてガンガン流してほしいと思うけど
だいたいみんなこっそりイアフォンで聞いている。
「まわりの迷惑」とか「通信の秘密」とかいう人がいるせいだろう。
だが航空管制では、交信者同士だけでなく広く周囲の航空機にも
交信を聞かせることで全体の交通状況を知らせることが重要だ。
そこで電話と同じような「通信の秘密」なんて適用されるのか?
百歩譲っても、スピーカーで流れるのを個々に聞くことが、
「通信の内容を他人に漏らす」なんてことになるのか?
ちなみに今日の写真はシアトルのミュージアム・オブ・フライト。
空港を見渡せる展望室では実際のATCをガンガン流している。
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