ガネットPrの製作マニュアルを読む
<下翼を上翼より前方に配したビーチクラフト・スタガーウイング>
こんな配置にして、何がいいんだかわかる?
大学時代、風洞実験で複葉翼をテーマにしたことがある。
「なんで今さら複葉なんかやるだよ」と先生に言われたけど
自分でも「堅気な技術者」という将来像はないなと思っていたので
いろいろ遊んでみたかったのである。
まあ、結果は先生のいう通り「いまさら」にすぎなかったが
煙風洞では普通の風洞模型は使えない(翼間が影になり、
そこを通る煙の筋が見えなくなる)から透明な翼を作ったりと
いろいろとくだらない工夫は必要だった。
世の中、どんなことでもやってみなければ得られない教訓がある。
そんな次元の低い話に続けるのは恐縮だけど
小さな飛行機メーカー「エアクラフト・オリンポス」のWeb上で
開発中のプライマリーグライダー「Gannet Pr.」の
製作マニュアル(キット販売なのだ)が公開されつつある。
設計図さえあれば飛行機は作れると思っている人もいるだろうが
このマニュアルを読めば、とてもそんなに甘くないとわかるだろう。
そのひとつひとつの言葉には、これまでオリンポスと四戸社長が
長い経験を通して培ってきたノウハウが凝縮されている。
いずれも現実にモノを作るうえで欠かせない大切なことばかりだ。
「こんなもの、タダで公開しちゃっていいのかよ」と最初は思った。
けれども、そこにこめられた「伝えたい」という四戸社長の想いが
ひしひしと感じられて感動してしまうのである。
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