殴らなかったのは悔やまれるが
ファインダーをのぞいたら、なんだかくもっていた。
・・・・画像処理したイメージですけど、こんな感じ。
レンズが汚れているのかと前玉を見てみたが、ピカピカだった。
次にレンズをはずしてチェックしてみたらビックリ。
なにやら後玉がベットリしていたのだ。
そのままで撮ったら、仕事がだいなしになるところだった。
レンズ交換のときに、誤って指紋をつけてしまったのだろうか。
焦ってレンズを磨きなおしていたら、
そばにいた先輩カメラマンが「あっ、気がついちゃった?」と笑った。
目をはなした間にレンズを外し、鼻を押しつけて脂をつけたらしい。
本人は無邪気なつもりなのかもしれないけど
真剣勝負の現場におけるプロのいたずらとしては度をこしている。
30年も前の話だけど、今でもときどき思い出す。
これに限らず、あまり楽しくない思い出というのはいくつかある。
それきり二度と一緒に仕事はしないと決めた人もいる。
第三者に「いつまで根に持ってんの」と言われたこともあるけど、
時間がたてば自動的にチャラになるというものではなかろう。
いまさら殴ってやると言っているわけではないのだから、
自分なりにはおだやかにおさめているつもり。
なのに「根に持っている」とか言われるのは、ちょっと心外だな。
今年も12月8日がやってきた。
70年たっても、忘れないものは忘れない人もいるんだろう。
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