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2011/05/03

「重要なこと」が記事にならない理由

出版業界で仕事をしていると、ときどきではあるが
「なぜこんな重要なことを記事にしないのか」と叱られることがある。
大事に思っていることがあまり、あるいはまったく記事にならないと
ガッカリしたり、怒りたくなってしまうという気持ちは理解できる。
僕だって「大事な企画」が日の目を見ないことは珍しくないからだ。
でも、記事にならない理由なんかいくらでもあげられる。
Pirates
★ある人には重要と思えることが他の人にはそれほどでもない★
人はだいたい自分の関心や興味のあることが重要だと信じている。
そんな自分の価値観が普遍的に通用するとも考えがちだ。
しかし実は他の人にはどーでもいいこと、というのはよくある話で。
Half_sneakers
★重要かもしれないけど読者に支持されそうもない★
それで本が売れなければ出版社は存続できない。
商業誌はお役所が作るパンフレットとは違うのだ。
Hologram01
★取材する時間も金もない★
記事を作るための取材には時間と金が必要だ。
僕は今年に入ってから数えるほどしか休みをとっていない。
去年からの飲み会のお誘いすら、ずっと実現できていない。
Tevere
★もし時間と金があったら、まずは自分のやりたいことをしたい★
いくら人から「なぜこんな大事なことを」と言われようが、
時間と金に余裕があればまず自分がやりたいネタを優先したい。
それがたとえ他人にはどーでもいいと思われていることだとしても。
Bali
だから僕を叱った人は、自分で取材して記事を作ればいいのだ。
皮肉でなく、その問題意識こそが立派な結果を生む原動力だ。
そして幸いにして、この商売には何の資格も営業免許も必要ない。
面白いと思ったら、誰でもそれを取材すればいいし、
記事として出版社に売り込むこともできる。
僕の知る限り、出版社の門戸はどこも広く開かれている。
実績がなくても、いいネタならばボツにされることはない。
もしボツにされたのだとしたら、他に何か理由があるはずだ。
Jta_fence
自分で取材するといっても、たとえば立入制限区域には入れない。
誰に話を聞けばいいのかもわからないかもしれないし、
どうやってお願いすればいいのかもわからないかもしれない。
・・・などというのは僕らだって同じだ。
そういうひとつひとつを解決していくところから皆スタートしている。
まだ重要なことが記事にされていないと思っている人は、
それを自分のチャンスと考えて頑張ればよかろう。
Wrapping_bus
おっと、まだまだありがちな理由があった。
★とっくに記事になっているのにその人が気づいていない(笑)★

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