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2011/04/24

ストームウインドウ

DC-3のウインドシールドのスライド小窓だが
とりあえず簡単にではあるが調べてみた。
Storm_window
<軍用型C-47のパイロットマニュアルの図面は小窓つき>
これは1944年9月に改定されたマニュアルを復刻したもの。
ただし、この小窓の用途については書かれていない、
・・・と思う。隅から隅まで読んだわけじゃないが(笑)。
ちなみにコクピットの非常口は小窓ではなく天井にある。
やっぱ、あの小さな窓からは出られないよね。
でもスライド小窓がついていないDC-3も確かにいる。
Storm_window_008
<これは1988年にアボッツフォードで撮影したもの>
ガルーダ・インドネシア航空本社の展示機にもなかった。
ただし目につく写真を見る限りは小窓つきの機体の方が多い。
キャセイの本物の1番機「ベッツィー」も小窓つきだった。
Storm_window_005
<1977年にアメリカで乗ったDC-3も小窓つき>
このあたりはもともとC-47として作られたという可能性もあるが
天下のNASM、スミソニアン博物館に展示されている機体ならば
最初からDC-3として作られたに違いない。
Storm_window_001
<しっかり小窓つき。やはりDC-3はこっちが基本だよね>
小窓がないのは、R4D-8とかC-117(スーパーDC-3)とか
そのあたりから持ってきて改造したのではないか。
なんとなく、同じようなサイズで簡単そうだ。
ただし小窓の有無に関係なく、みな側面窓はスライドして開くようだ。
それは前回、僕が誤解していたところ。
Storm_window_004
<KAR-AIRのDC-3。奥の側面窓が開いているのがわかる>
地上のメカニックと話したりするにはやはり側面窓が開く方が便利。
それにクーラーがないから、暑いときには開かないとつらい。
Storm_window_009
<手を出しているとプロペラにちぎられそうでこわいけど>

では、どうしてウインドシールドにも小窓がついているのかというと
どうやらこれは「ストームウインドウ」らしい。つまり「嵐の窓」。
家でも車でもひどい嵐のときには窓を閉めるのが普通だけど、
貧弱なワイパーでは前方の視界が確保できないことがある。
土砂降りの中を走ったことのあるバイク乗りならわかるだろう。
豪雨の中ではヘルメットのバイザーを少し上げた方が前が見える。
あるいはアイシングコンディションだと氷がつくかもしれない。
いちおうDC-3にも窓用の除氷液は装備しているらしいんだが、
そんなものがどれだけ役にたつのやら。
で、仕方なく小窓を開けて前を見るのである、たぶん。

「たぶん」とか「らしい」とか、推測ばかりで申し訳ないけど。

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