3点支持というよりはヤジロベエっぽい
地上の旅客機は、たいてい3本の脚で機体を支えている。
だけど荷重のほとんどは主翼下の主脚が受け持っており、
前脚は機体を安定させ、操向のきく程度の荷重しか持たない。
横から見ると、「なるほどな」と思うかもしれない。
<元JALのJ767-300。赤線は阿施が書き入れてみた>
主脚はほとんど胴体全長の真ん中あたりについているのがわかる。
3点支持というよりは、ヤジロベエに近い。
ただ、主脚より前方には重いエンジンや前脚などがある。
後方にも尾翼があるけど、前方の方がやや重い。
だから前脚も合わせた3点でしっかり安定できる。
主脚をさらに後方に置けば安定度は増すだろうが、
離陸するのが困難になってしまうかもしれない。
<前が重すぎたら、機首を上げられないでしょ>
かくも地上の飛行機というのは微妙なバランスで支えられている。
だから機内の貨物配置などによってはテイルヘビーになって
尻餅をついてしまう危険がないわけではない。
そこで貨物機の積み下ろし作業では尾部に支柱をつけることも。
<747-400Fのテイルスタンション>
ただしこの支柱を受ける胴体には前脚部分ほどの強度はない。
したがって本気でケツに荷重をかけると歪んでしまう危険がある。
だからテイルスタンションには大きな荷重がかからないようにする。
これは、いわばセンサーみたいなものと考えた方がいいらしい。
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