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2010/11/19

人は誰でもミスをする

長い仕事人生では、致命的となりうるミスを何度も経験している。
機械式カメラではフィルムを入れないで撮影したことがあるし
デジカメに移行してすぐの取材では撮影済CFカードを2枚なくした。
セントレアの開港取材のときだった。
もちろん、そこでまず僕の「処分」を云々した編集者はいなかった。
そんなことより、どうやってページを組むかという方が問題だからだ。
幸いにして、このときは複数のカメラマンが出撃していたから、
僕の写真が2~3ギガなくても問題なく誌面を組むことはできた。
もちろん僕はこの失敗によって、相応に評価を下げたはずだ。
だけどそれで仕事が減ったとしても、「処分」とは違うだろう。
Fiji_film
もちろん僕は再発防止を真剣に考えた。
まずCFカードケースにコードをつけてカメラバッグに接続した。
さらにコードが切れた場合に備えて、
カードケースはカメラバッグのポケットに収めるよう習慣づけた。
実際にコードが切れたこともあったが、CFカードは無事だった。
僕の失敗を聞いた同業者も、それぞれに対策をたてたはずだ。
「阿施め、ドジったな」と笑いながらも、他人事ではないからだ。
それで同様のミスが減れば、みんなのメリットになる。
もし「今回のミスで懲役、失職」などということになっていたら
僕は写真がない口実を別に考えたかもしれない。
結果として、僕の失敗は皆の教訓となることもなかっただろう。
Cf_card_safety
航空事故調査で過失を問わないようにというのはそういう意味だ。
「ミスをしたら罰して当然」という漠然とした世論もあるだろうが、
そんな処分は将来の事故を抑止する力にはほとんどならないし
ゆえに同じ危険の芽がいつまでも残されることにもなりうる。
要するに2001年のJAL機ニアミス事故について、
最高裁が2人の管制官の有罪を確定させたという先日の判決が
クソッたれだということを言いたかったのだけど。
こういうの、次の最高裁裁判官国民審査まで覚えておかないと。

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