うそA380
成田空港に初就航したときに撮ったシンガポール航空のA380。
数ある「うそ飛行機」写真の中でも、か~なり地味な作品。
制作時間も、ほんの2~3分だったろうか。
窓の数とか、そういう細々したところじゃない。さて、どこが変か?
実はA380のスラストリバーサーは内側エンジンにしかない。
重心から遠い外側エンジンのリバーサーが不作動だったときに
機体を振るモーメントが大きくなりすぎるからだといわれている。
もちろん内側だけでも十分だからという大前提もあるのだろう。
A380の着陸速度は747よりも20ノットも遅いのだ。
と、ここまで書いて、ちょっと気になったので簡単な計算をしてみた。
着陸速度が747よりも20ノット遅いというエアバス発表の根拠、
くわしい条件はわからないけど、
無難な数値として150ノット前後ならば20ノットは約13%の差。
運動エネルギーは速度の二乗できいてくるから、
速度による運動エネルギーの差は25%くらいだ。
運動エネルギーはこの他に重量(質量)の要素もあり、
こちらは二乗せずそのまま掛ける。もし重量差が25%くらいなら
両者の運動エネルギーはほぼ同じということになるだろう。
実際の最大着陸重量はA380が386トンで747が286トン。
つまり747の着陸重量はA380より26%小さい。いいセンだね。
着陸時の運動エネルギーはA380と747でほぼ同じだったのだ。
無茶苦茶ラフな計算だけど(苦笑)。
それを747はエンジン4基の逆噴射と16個のタイヤブレーキで、
A380はエンジン2基の逆噴射と18個のタイヤブレーキで、
そして両機とも主翼上のエアブレーキも併用して消していく。
もしA380の着陸速度が747と同じくらい速かったら
運動エネルギーもかなり大きくなって停めるのが大変だったろう。
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