元祖レイクドウイングチップ
新しいボーイング機にはレイクドウイングチップのものが多い。
777のERだのLRだのといった長距離機や767-400、
そして最新の787や747-8にも採用されている。
が、そのずっと前に作られていたのが、このBD-5改造機。
<1982年に完成したというBD-5T。レジはN644SA>
製作者のセス・アンダーソンはNASAで最も古株の研究者だった。
自作のBD-5に通常よりスパンの短い高効率翼を取り付け
実際にフライトさせることに成功している。
これが後の旅客機の研究とどう関連しているのかはわからないが、
ちょっと気になる存在ではある。
ちなみにセス・アンダーソンは本業でも大きな成果をあげているが
趣味としてフライトを楽しむことにも長けていた。
このようなキットプレーンを手作りし、自らの手で飛ばし(しかも
BD-5の初飛行では脚が降りなかったから胴体着陸したという)、
さらには60歳でハンググライダーを習い始めて
2年後には上級資格(アドバンストパイロット)を取得している。
「これは最も自然に近づくことができるものだ。鳥のように感じる」
と語り、79歳の誕生日にもヨセミテでのフライトを楽しんでいる。
こういう人がハング仲間であるというのは、とてもうれしい。
ただし残念ながら、2001年4月に82歳で亡くなっている。
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