飛行機の動態保存のむずかしさ
<スズキ式SG-5。設計・鈴木常吉さん、製作・肥後盛文さん>
試験飛行を担当した高橋淳さんのコメント。
「舵が敏感で、とてもいい感じだった。
これならアクロだって、いくらでもできそうだなと思った。
一番問題になったのはエンジンのクーリングくらいかな。
SG-5に限らず、自作機ではエンジンが
冷却不良になるというケースが多い。
だけどSG-5の場合は、バッフルプレートを
ちょっと調整するだけで非常に調子がよくなった。
あとは脚のスプリングが柔らかすぎて
地上でハネ気味だったことかな。
MHO235やS25Xの脚には緩衝装置がなかったけど、
SG-5はトラックの板バネを使って昔のセスナみたいな
緩衝装置にしていたんだ。
だけど、これも問題というほどのことじゃなかった。
とにかく100ノットくらいでビュンビュン飛べるし、
舵もシャープなんだから、乗っていて一番快適だったな」
(イカロス出版スカイスポーツ誌のためのインタビューから)
<1980年代に富士川滑空場で撮影。パイロットは高橋淳さん>
後にSG-5(JX0018)は航空機保存会「南からの風」によって
枕崎空港でフライアブルの状態に維持されてきた。
ただし愛称は「ブルーストリーム」となり塗装も変更された。
同会のホームページには機体の来歴がなかったので
この機会に記録として掲載しておく。
機体が失われたのは残念だが、軽傷で済んだのは幸いだった。
飛行機は飛んでいる姿が美しい。飛ばせるものならば飛ばしたい。
しかし、動態保存は本当にむずかしいなと思う。
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