大学の翼
<国立科学博物館に展示されていた日大人力機ストークB>
日本大学の人力飛行機ストークBは、歴史に残る名機だと思う。
1977年1月に2093mの直線距離世界記録(未公認)を達成。
だが目標とした「8の字飛行達成」のクレーマー賞は、
同年8月に新発想・新素材のゴッサマー・コンドルにさらわれた。
繊細なストークBを打ち破ったのは、サランラップのような機体。
両機を見比べると、ストークBはさながら戦艦大和のようだ。
それは「重々しい」という意味ではない。
古い発想を極限まで追求してしまった美しさとむなしさ。
<NASM本館に展示されているゴッサマー・コンドル>
それでもストークBがすごいなと思うのは、
この前後に日大が輩出したクセの強い人材の豊かさだ。
山陽鉄工の石井潤治さんやチロル号の加藤隆士さんはもちろん、
その後輩でバードマンラリー琵琶湖横断の中山浩典さん、
その機体を作った鈴木さん兄弟、オリンポスの四戸哲さんなど、
ユニークでそうそうたる顔ぶれをずらずらと並べることができる。
そんな人材を育てた、これぞ大学らしい翼といえるのではないか。
で、この機体は今はどこにしまってあるんだろう。
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