匿名になると人は変わる
昔、「匿名になると人は変わる」と実感した事件があった。
フジテレビの夕方の番組が当時の僕と1つ違いの電話番号を
電話リクエストだの電話アンケートだのに使ったときのことだ。
その企画がはじまると同時に間違い電話の嵐が僕を襲った。
そのすさまじさは、想像を絶するものだった。
間違い電話を受けている間にキャッチホンも鳴りっぱなし。
切ると同時につながる…という状態が電話線を抜くまで続いた。
最初はワケがわからなかったが、どうやら何かの企画モノらしい。
で、TVをつけて犯人を見つけたわけだ。
「間違い電話にお気をつけください」って字幕は出ていたけど
それだけで免罪符になると思うなよ。
もちろんフジテレビにクレームをした。後日、担当者が謝りにきた。
だがその企画はもうすぐ終わるからそれまで勘弁…とも。
夕方の週1回の企画があと数回。ガマンしてやることにした。
ガマンするというのは、その嵐の間は電話線を抜くということだ。
が、取材とかで不在にしていると、留守番電話が満杯になった。
こうしてまた平穏な日々が戻ったと思いきや、
ある日の深夜、3時だか4時だかにまた間違い電話に襲われた。
フジテレビが、懲りずに同じ電話番号で何かはじめたらしい。
しかも、ほとんどの電話は信じられないほどマナーが悪かった。
うんざりして乱暴に切るとリダイヤルで文句をつけてくるのもいた。
自分が間違い電話で迷惑をかけたという認識がまるでない。
僕の代わりにカミさんが出ると、エロモードに変わる馬鹿も多数。
当時はナンバーディスプレイもなかったから、相手は完全な匿名
(もちろんこちらの電話番号を、かけてきた相手はわかっている)。
正体は知られないという安心感が、人をこんなにしてしまうのか。
その卑怯さ、陰湿さを「本性」と決めつけるつもりはないが、
少なくともその人の持つ一面を浮き彫りにしたのは事実だ。
今なら2ちゃんねるとかで、同じような性質をさらけだす人もいる。
もちろん匿名で悪く変わる人ばかりではない。
昔、僕が落とした財布を警察に届けてくれた人は匿名だった。
お礼をしようと思ったのだけど、ただ親切だけで届けてくれたらしい。
匿名で慈善事業に寄付を続けているような奇特な人もいる。
あるいは匿名ブログで「素晴らしく素敵な自分」を演出する人も。
…う~む、これはちょっと違うか(苦笑)。
ブログって、書いてる本人を知ってるとちょっと複雑なことあるよね。
もちろん自分のことは棚に上げていってるんだけど(爆笑)。
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