« いくつのビルが写っているか | トップページ | 都庁のお役人さまは忙しい »

2008/03/12

人は誰しもミスをする、という前提

Cessna152_1

僕が飛行機の免許を取った空港には2本の平行滑走路があった。
だから左右の滑走路でほぼ同時離着陸なんて珍しくなかった。
あるとき僕は左滑走路へのアプローチを指示されていたのだが
右の滑走路にアプローチしているはずの飛行機は目の前にいた。
まあそのうち進路変更するかなと思ったけど、しない。
「あいつ、右と左と間違ってるんじゃねえかなあ」と思っていたら
管制塔からも先行機に「右滑走路だよ」と。
「了解」なんて呑気な返事をしてから間違いに気づいたらしい。
「うわ、これはしまった。悪いことしたな、後ろのお若いの」
僕は管制塔にゴーアラウンドを告げて先行機と間隔をとった。
先行機はそのまま無理のない左滑走路に着陸を許可された。
管制英語に問題のないアメリカ人でも、こういうことはある。笑い話。
が、いまの日本では「誤進入、事故の危機、たるんでる」とか
偉そうな記事やニュースで袋だたきにあってしまうんだろう。
おまけに航空無線で私語をかわしたとかも?(苦笑)
たるんでるんじゃないよ。人は誰でもミスをする。
たとえ命がかかっていようがいまいが、ミスをしてしまう。
そういう生き物なんだということをまず前提として認めなければ。
「それでは安全が」なんて、わかりきった説教は聞きたくもない。
鬼の首をとったような記事をいくら書いても安全には貢献しない。
ミスを非難するのは簡単だし、どんなバカにでもできる。
ミスをしても大事にならない仕組みを考えないと。

|

« いくつのビルが写っているか | トップページ | 都庁のお役人さまは忙しい »