太平洋を渡りそこねたLPガスタンク
宮崎県都城市に大切に保管されている無愛想なタンク。
断熱材で覆われており、800キロのLPガスを詰めることができる。
1991年1月、熱気球による初の太平洋横断飛行の際、
地上でのホットインフレーション(立ち上げ)に使われたものだ。
熱気球には同型のタンク6本が積まれ、
都城からカナダ・イエローナイフ付近までの飛行に成功したが
それを空に浮かべるために使われたこのタンクは日本に残された。
太平洋を横断しそこなってしまったのである。
ちなみに熱気球に乗ったのはヴァージン アトランティック航空の
サー・リチャード・ブランソン会長とパー・リンドストランド氏だった。
さてここに入っていたLPガスだが、
たとえ地上で気球を膨らますのに使われただけだったとしても
やはり「太平洋横断に使われた」と考えるのが普通だろう。
ところが国家間の高度な政治的な判断(?)では、
これは太平洋横断には使われなかったということになるらしい。
まあ、LPガスと重油という違いはあるにしても。
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