PTAとかベルマークとか
<パリの遠足の子供たち。ぞろぞろぞろぞろ>
「PTAがあるんで打ち合わせの時間、遅らせてください」
などと仕事でお願いするのは心苦しいが、仕方ない。
子供が少ない小規模校では、保護者も全員が仕事を分担する。
仕事があろうが、乳児を抱えていようが、とにかく全員で助け合う。
大変だけど、それが本来の教育の姿かもしれない。
…というきれいごとはともかくとして(苦笑)。
できれば負担の小さいのがいいなあと、毎年姑息に試行錯誤。
去年はクラスの「副」という委員とベルマーク委員を兼務した。
クラスの各家庭から集められた大量のベルマークを
チマチマと切り貼りして集計する地道な内職みたいな係だ。
単純作業だが、老眼鏡を必要とするオッサンにはちとつらかった。
さらに、そのむなしさが眼精疲労以上に精神的苦痛だった。
こうして集めたベルマークは点数分の金額の備品購入に使える。
子供たちもそれを楽しみにしていると思うと張り合いになる。
が、何時間もかけて作業しても点数(金額)は微々たるものだ。
時給換算したら法定最低賃金よりはるかに安いだろう。
ならば、どこかでアルバイトでもした方が効率よく金は集まる。
あるいはそのくらいの金を払うからゆるしてね、といいたくなる。
「点数のさらに10%は僻地校や海外への援助資金になります」
ならば10%上乗せして払うから勘弁してほしい、とも思う。
日本全国の保護者がベルマークに費やす時間と労力は莫大だ。
これは美徳の名のもとに強いられる壮大な浪費ではないのか。
もちろん協賛企業の善意を疑うつもりはさらさらないけど
朝日新聞の派手な自画自賛記事を読むと「けッ」と思ってしまう。
いまのような面倒な方法では、集まるベルマークが増えるほど、
浪費を強いられる時間も増えていくのだ。
…ということでPTA総会ではベルマーク廃止を提案したのだが
とりあえず回収の手間を減らして存続してみることになった。
そう、小僧の学校ではこうしたPTA改革の試みも盛んである。
ただ逃げるよりも、前向きな人たちが多いんだなと感心する。
あちこちのWEBやブログには無神経な話もたくさんあるもの。
たとえば「小学校のPTAは1回やってこりごり」と語りながら、
お受験で入った中学では嬉々としてPTAにいそしむ人もいる。
「私立は親の意識もまるで違うから、PTAも盛んなんだよ」と
もっともらしく吹聴しているのを見るとタメイキがでる。
仕事を休んででも参加しようという心意気は悪くないと思うが、
その意欲、公立小学校のときには発揮できなかったのかなあ。
自分が6年間のうち5年間は「こりごり」と逃げていたときに、
それをかぶって活動していた保護者はいたはずだ。
そんな人たちのことを、バカにしているんじゃないのか。
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