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2007/03/10

焼けた魚雷

Torpedo01
<東京都復興記念館屋外展示場にある魚雷の残骸>

両国国技館のあるあたりは横網町という。
相撲の地だから「よこづな」なのではなくて「よこあみ」である。
そこの横網町公園には東京都復興記念館というのがあって、
関東大震災やら東京大空襲やらの資料が展示されている。
…ということはあとから知ったのだが、なにも知らずに
ぷらぷら歩いていたら鉄のオブジェみたいなのが並んでいた。
芸術の中でも特に彫刻とかオブジェは理解しがたいのだが
魚雷みたいなカタチにひかれて近づいたら本当に魚雷だった。

「おお、こんなところで珍しいもの見っけた」と思ったが、
これは東京高等商船学校(現東京海洋大学)にあったものが
関東大震災の火災でこんな風に焼損してしまったものらしい。
周囲に並んでいる「鉄のオブジェ」風の物体も、
実は、その激しい火勢を物語る遺物ばかりなのであった。

横網町公園の中にある建物も、ただのお寺とかではない。
関東大震災、また東京大空襲で亡くなった人の遺骨を収めた
東京都慰霊堂というものである、ということもあとで知った。
東京で生まれ育ったとはいえ、こちらの方はなじみがないんだ。
そういえば、すぐ近くには隅田川が流れているのだが、
よく聞く「火を逃れて川に飛び込み…」という話を思い出した。

あまり愉快な場所とはいえないが、
こんな風に気持ちを重くする展示も、ときには必要であると思う。
事故機の残骸を展示したJALやANAの安全啓発センターも
僕は高く評価している。

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