コインランドリーの乾燥機
一人暮らしをはじめた頃は所帯じみた匂いがするのが嫌で
炊飯器やトースター、もちろん洗濯機も買わなかった。
洗濯物は週に1回、コインランドリーでまとめてやっつけた。
洗濯物を干すのも嫌だったからすべて乾燥機を使用。
生地は痛みまくったし毎回1000円くらいはスッとんだけれど、
年に50回として、5~6万円というところか。
最近の高級洗濯機よりも無茶苦茶に高いわけではない。
ペットの衣類を洗うバカもいるとかで衛生面の心配もあるが、
これはまあ「見つけたらブン殴ってやる」とか、
はったりかますくらいしか対処のしようはないからなあ。
まったく、美しい国だぜ。
<なんとなく生活感のないホテルのガウン>
コインランドリーはすぐ近所にあった。
盗まれて困るような高級衣類も持っていなかったので、
セットしたらいったん帰宅して、終わった頃に出なおした。
腕時計の逆算タイマーが重宝したが、それでもときどき忘れた。
あっと思って行くと、そのまま乾燥機に残っていることもあれば、
乱暴にカゴに出されていたり(僕が悪かったんだ、仕方ない)、
まるごとなくなっていたことも1回あった(どうせ僕が…)。
持っていった人、僕の使い古しのパンツ、はいてるのかなあ。
だけどいちばん驚いたのは、乾燥の終わった衣類が
きれいにたたまれてカゴに入れられていたとき。
自分でたたむよりもきれいにたたまれていたので恐縮した。
パンツも入っていたから気恥ずかしいが、
きっと素敵な女性に違いないと勝手に想像して赤面した。
でも、男だったという可能性もある…。
終わった洗濯物をすぐに出さなかったのは自分が悪いのだし、
丁寧にたたんでいただいた親切にケチをつけるつもりもない。
が、これからは何としても忘れないようにしますと心に誓った。
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