おめでたすぎる空港デザイン
仕事がら、いろいろな空港を利用する。
「どこの空港が、いちばんいいですか」と聞かれると、
質問の趣旨に合わせて答えはするが、あくまで適当である。
いい空港というのは水や空気のように自然に利用できるので
あまり記憶に残らなかったりするのだ。
逆に、悪いところはストレスになるから強く印象に残る。
最近では、すでに2度ほど利用した神戸空港にトホホ。
この空港、なぜかあちこちに不透明なドアが使われている。
たとえば写真は三宮とを結ぶポートライナー駅との連絡口。
入るとすぐに出発ロビーになっている、いわば表玄関である。
間の仕切りはガラスだが左右2つのドアはグレーで、
開くまでは向こうの状況がさっぱり見えない。
急ぎ足で通ろうとすると出会い頭にゴッツンとなりかねない。
写真では左側のドアは開いており、右側のドアは閉じた状態。
いちおう張り紙で「入口」と「出口」を分けてはいるから、
皆がそれに従うかぎりは出会い頭の事故はないはず。
が、そんな前提で作ったとしたらおめでたすぎるだろう。
もともと神戸空港自体がおめでたすぎ、というのはともかく、
写真を撮るためのわずかな間にも両方に人が流れていたよ。
空港の設計者はロクに空港を使ったことがないのではないか、
というのが僕の持論のひとつなのだが、これは空港設計以前。
人が多く出入りする建物としてはお粗末すぎる。
神戸空港は静岡空港とともに生い立ちから気に食わないので
いささか評価が辛くなりすぎるのかもしれないが、
出発ロビーにある回転する地球型の時計も気に食わない。
これ、地球の景色1周に1回しか時刻が表示されない。
ヘタをすると時刻を知るために何十秒も待たされる。
もちろん腕時計もってるから頼らなくてもいいんだけどさ、
使いモノにならないものカッコつけて置いとくな、と思う。
そういや羽田T1のリムジンバス券売り場にも似たような不満が。
カウンター背後のLCDにバスの発車時刻が表示されるのだが
「さて、次は…」と見ると、自社広告に切り替わってしまうのだ。
次に時刻表が表示されるまで、十数秒といったところか。
「そんなに急いでどこへいく」という声も聞こえてきそうだが、
僕はクソッと思って「モノレール乗り場にいく」と答えてやろうか。
こういうのは絶対的な時間の長短ではない。
たとえば腕時計を見るたびに十秒も待たされたら、
TVのチャンネルをかえるたびに十秒も待たされたら、
たいていの人はうんざりするだろう。
くだらない理由で浪費する十秒は1億倍にも感じるのだ。
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