食器洗浄機
「家族団欒中に申し訳ありません」と編集者の電話。
ちょうど晩メシがおわったような時間。
「いや、いま食器洗ってたとこ」と答えたら大笑いしてた。
自分の書斎は片づけなくても、食器くらいは洗うさ。
で、食器を洗いながらよく考えるのは食器洗浄機のこと。
僕は欲しくないけど、欲しがる人が多いのはなぜだろう。
僕も家事では「抜ける手間は抜く」というのが信条だが、
我が家の食器洗いなんか、せいぜい5分くらいですむ。
ためこんだときだって、10分とかからない。
僕のずさんな生活のなかでは、ほとんど誤差の範囲だ。
誤差の有効活用で食器がきれいになる。上等じゃん。
あるいは僕の洗い方がずさんすぎるのかもしれないが。
もちろん5分、10分すらおっくうなこともあるが、
そんなときはしばらく放っておいたってかまわない。
洗ったあとふくのが面倒なら自然乾燥させればいい。
そのうちコーヒーでも落とすときに片づける時間はとれる。
食器洗浄機があっても手洗いの必要なものは残るから
流しからスポンジだの洗剤だのが消えてくれるわけでもない。
それに食器洗浄機は後かたづけまではしてくれない。
食器を下げ、ときに下洗いをして、洗浄機にセットする手間、
また洗い上がった食器を食器棚にしまう手間は残る。
いや、食器洗浄機に文句つけてるわけじゃないんだ。
手荒れの深刻な人とかには有効な医療補助器具だと思うよ。
ただ、したり顔の「カリスマ主婦」みたいなのがでてきて
時間を有効にして家族団欒とか、衛生的とか、水を節約とか
もっともらしい屁理屈をこねてるのを見ると反吐がでそうでさ。
なんなんだよ、カリスマ主婦って。
「たかが食器洗いがそんなにたいそうなことかよ」
とか思いながらちんたら5分で食器洗ってンだ、僕は。
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