不思議なピーチパイ
スキューバダイビングの訓練を受けたのは学生時代、
伊豆で1週間の訓練に宿、食事つきで学割なら4~5万円。
春休みの小旅行がわりにいいな、という気楽な動機だった。
3月初旬の朝、はじめてウェットスーツを着て屋外プールへ。
誰だ、ウェットスーツを着れば寒くないなんていったヤツは。
しかし、予想通りでなかったのはそれだけではなかった。
「では、まず1000メートル泳いでください」といわれて
「準備体操はどうするんですか」と聞いた僕が甘かった。
「これが準備体操です」
それからの1週間は、その言葉が暗示する通りの地獄だった。
カミさんが観ていた「海猿」。訓練風景はよく似ている。でも、
「僕もこういうのやらされた」といっても相手にしてもらえない。
やはり20年の不摂生が肉質に反映しているからな。
訓練最終日の朝、隣の部屋から聞こえたうれしそうな口笛、
「不思議なピーチパイ」を聞くと、あの寒々とした海を思い出す。
海上保安庁のファルコン900。東京モノレールから撮影。
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