劣化ネガ悲惨
これまで何度かネガの劣化について書いてきたが
今日はその実例をいくつかご紹介しよう。
まずは緑に塗りたくったようなDHC-6ツインオッター。
1975年8月に新潟空港で撮影した日本近距離航空機。
カラーネガで撮影したものをスキャンした、ほぼそのまま。
かろうじて機体に色が残っているようなので救えるかもと、
機体の白を基準にホワイトバランスをとりなおした。
機体はマシになったが、背景の色が消えてしまった。
機体を抜いて周囲の緑を残しても不自然になる。
少なくとも今の僕には修復はできそうもない。
不思議なのは、劣化がフィルム単位ではないこと。
同じネガでもカットごとに変色具合がまるで違う。
ほとんど劣化していないようなカットもあれば、
たとえば2~3コマ後のカットは緑が少し薄い。
こういうのが、お互いまるで影響せずに隣り合っている。
こちらも同じようにホワイトバランスをとりなおすと
「普通の古ぼけた写真」くらいにはなった。
このくらい色が残っていれば、なんとか修復できそうだ。
ただし色補正だけでなく傷の補修なども必要になる。
こつこつ地道に作業して、ようやくこのくらいになった。
手遅れになる前になんとか救えてよかったが、
とてもすべての写真でこんな面倒なことはできない。
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