数年前にマンションを買ったときは悲しかった。
バブル崩壊でずいぶん安くなっていたとはいえ、
それまでの蓄えでは全然たりなくて、
さらに30年ものローンを組まなければならなかった。
まあ小市民としてはそれが普通なのかもしれないけど…、
たかがマンションを買うって、そんなに大ごとなのかよ。
自慢ではないが、ほとんど貯金はない。
若いころは「貯金よりは自分に投資しろ」とかいわれて、
好きだけど金にならないテーマを撮り歩いたり、
飛行機の免許をとったり、ハンググライダーを買ったり、
友人たちと儲からない会社を作ったことすらある。
…要するに遊びまくった。
でも父親が死んだときは、自分には葬式代もないと焦った。
「せめて自分の葬式代くらいは」と貯金をはじめたが、
そうして貯めた金はマンションの頭金になってしまった。
で、それからもやっぱり貯金はする気にならない。
また葬式代くらいは貯めなきゃと思うけれど、
銀行に入れても忘れた頃についてくる利息が1円だって。
いくら元金が少ないとはいえ人のことをバカにしている。
ATMの時間外手数料1回分で、利息100年分かよ。
それならローンの早期返済にあてた方がマシだ。
こっちはしっかり金利をとられているからな。
で、貯金するかわりにセッセと返していたら、
30年ローンのはずが数年で先が見えてしまった。
いつの間にか、あとクルマ1台分ってとこまできた。
「そのくらいいっぺんに返しちゃえよ」という声もあるが、
返せるものか。貯金ないんだから。
でもまあ、ずいぶんと気楽にはなった。
もちろん銀行利息1円が積もって返済が進んだわけじゃない。
逆にサッサと銀行に見切りをつけたおかげだ。
ローンが終わっても、やっぱり銀行には近づかないよ。
※写真は我が家ではないです…、いうまでもないが。
でも「マンション」って、本当はこんな感じ?
もちろん外国人にはアパートメントっていってるよ、うちは。