鳥と飛行機
鳥は飛行場が好きだ。
広くて人があまり入ってこないからだろう。
だが飛行機はあまり鳥が好きではない。
離着陸のときに、よくぶつかるからだ。
僕も操縦訓練中に1羽、殺したことがある。
ぶつかる瞬間は見えなかったが、
ドンという鈍い音がした。
すぐに着陸して機体をチェックしたが、異常なし。
それから2~3日して、別のパイロットが、
「誰かバードストライク、やったな」と。
前脚の付け根の中に、死骸が詰まっていたそうだ。
なーにが「異常なし」だか。もっとよく調べるべきだった。
それでも鳥は飛行機が好きだ。
屋外に置かれた飛行機の中によく巣を作る。
写真は鹿屋航空基地資料館のR4D-6。
台風で飛ばされたラダーの中をのぞいたら、
やはり鳥の巣の残骸があった。
飛ばされたとき、巣には鳥がいたのだろうか。
もちろん現役の飛行機も油断できない。
知人は鳥の進入を防ぐために
舵の軸穴にぼろ布を詰め込んでいたが、
飛行前点検で見落としてそのまま飛んでいた。
ぼろ布がひっかかって舵が動かなくなったら
けっこうヤバいことになっていたはずだ。
| 固定リンク