車を捨てて家族でハワイ旅行
カメラマンなのに車持ってないんですか、
とたまにいわれる。
文句あるか。
台数でいえば、かなりの車を乗り回してきた。
だが最後の車を手放したのはバブル全盛期。
月5万円で借りていた駐車場にマンションを建てるからと追い出された。ちなみに車は5万円のルーチェ。金に困った知人に頼まれ、ちょうどRX-7を手放したばかりだったので買い取った。それを月々5万円の駐車場に置いていたわけだ。
しかし乗るのはせいぜい2~3ヶ月に1回。ヘタをすると乗るたびにバッテリーが上がっていた。だいたい3ヶ月に1回乗るくらいでは、1回のコストが15万円という計算になる。
それでも車がないと困るだろうと思ってしまうのが、マイカー病のこわさだ。僕も予算7万円で駐車場を捜したが、ついになかった。それどころか8万円でも、10万円でもないといわれた。バブル期の都心はこんな感じだった。しかし置く場所がなければ仕方がないので、車は知人にくれてやった。もちろんタダで。
カメラマンといえば重い撮影機材を運ぶのに車が必須と思われている。だが車で行ける/行った方がいい撮影現場は限られている。僕の仕事では地方や海外に旅客機で移動し、現地でレンタカーを借りることが多い。都内ならば電車やタクシーを活用した方が早くて便利、しかも行った先で駐車場を捜す手間もない。
子供が生まれたときにはやはり「車がないと不便でしょ」とお節介をやかれたが、どうして?
車を手放すことで浮いた年間経費100万円以上をそのまま貯蓄にまわしたわけではないが、いつの間にやらマンションのローン返済期間は半分以下に圧縮できた。
車がないので、うちの小僧は湘南や千葉の海を知らない。だが毎年何回かは家族でハワイやグアム、沖縄の海に出かけている。パスポートはスタンプでいっぱいだ。イヤミなようだが、それでも車を維持するよりは安上がりなのだ。
一方で「金がない」と嘆く友人には、マイカー派が多い。郊外で暮らしていると車も必要なのかもしれないが、休日返上の仕事ぶりを見ていると、いつ車に乗っているのやらと思う。まあ駐車場も安いのだろうが、300万円の車に10年乗っても毎年30万円は払っている計算だ。これに車検や税金、保険料などを加えれば、家族で毎年ハワイに行ってもお釣りがくるだけの金額にはなる。
だが、そんな人に限って「せめて車くらい」などという。他に楽しみがないのかと思うと、人ごとながら情けなくなる。
つい先日も小さなレンタカーを借りて家族3人で週末旅行。河口湖から甲府あたりの紅葉をまわっただけだが、宿は「甲府でいちばん」と勧められた温泉ホテル。1泊で10万円くらいかかったが、かつての駐車場の2ヶ月分にすぎない。
玄関前に乗りつけると、ドアマンが走ってきて日産マーチのドアをうやうやしく開けてくれた。貧乏臭い車と、そのうやうやしさのミスマッチには、笑えた。うちの小僧、偉そうに降りていったな。
↑貧乏で車がないので、
今年の夏休みは沖縄でガマンした。
もちろん現地の足はレンタカー。
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