リスク管理のカラ回り
米軍三沢基地で撮影仕事が入った。
羽田から三沢へは、朝昼夕の1日3便が飛んでいる。
昼便では出頭時間に間に合わない。
朝便では4~5時間もの暇つぶしが必要だ。
これだけあればレンタカーで青森まで往復できそうだ。
みちのく北方漁船博物館のYS-11を撮れるかもしれない。
いや、三沢ではなく青森に入ればもっと簡単だ。
さっそく航空券を手配した。
ところが天気が悪い。
前日の羽田~青森線も、5便のうち4便が霧で欠航した。
今日の天気図はさらに悪い。
案の定、出発ゲートでは「霧のため羽田に引き返すこともある」とアナウンス。最初から欠航といってくれれば、新幹線「はやて」に乗り換えるつもりだった。しかしイチかバチかで飛んで、羽田に引き返すことになったら新幹線にも間に合わない。見切るならば、いましかない。
だが、別の選択肢もあった。5分違いで出発する三沢行き。こちらは天候は問題なく、空席もあるという。
青森のYS-11は捨てることになるかもしれないが、やむをえない。
変更手続きを終えたのと、ボーディング開始はほぼ同時だった。
ぎりぎりで乗り換えた三沢行きMD-81だが、出発前に故障がみつかった。
滑走路の手前まで来て、「失速警報装置が故障のため、整備に問い合わせ中」と機長のアナウンス。
失速警報装置といえば、セスナの主翼についている簡単なものしか思い浮かばない。MD-81の失速警報装置って、どんなんだろう。
次いで、「スポットに引き返してコンピュータを交換します。作業に10分ほどかかります」と。MELで出せるような故障ではなかったのか。でもMD-81の失速警報装置にコンピュータ、それも10分くらいで交換できるのがついているのか。ふ~ん?
しばらくして、「コンピュータを交換しても復旧しないので、飛行機を乗り換えていただきます」ということになった。
やれやれ。しかし異常があるままで飛ぶよりマシだ。命は大事だものね。それに今日の機長は状況をいちいち報告してくれて、好感がもてる。命、あずけまっセ。
いったん出発待合室に戻り、一服しながらあちこち連絡する。僕が青森行きに乗っていると思っている人は、心配しているかもしれない。そういえば、青森行きはどうなったのだろう。
ちなみに再ボーディングには、ボーディングパスの半券を使用。これをゲートの改札機に通す。こういう技もあるのかと新発見。
結局、三沢には2時間あまり遅れて到着した。もちろん青森往復どころではない。期せずして、暇つぶしができてしまったわけだ。あまり楽しくはなかったけど。
今日の仕事は「バーズ」の到着を撮ること。
だが、三沢の天気もあまりいいとはいえない。
これより悪くなったら、バーズも厳しいだろう。
帰りに乗るつもりだった東京行きの飛行機だって油断できない。
ヘタすりゃ、やっぱり新幹線で帰ることになる。
やれやれ。
結局、バーズは全機無事に到着し、
東京行きの飛行機も飛んだ。
羽田を雷雲が通過中とのことで着陸が1時間近く遅れたが、
カミさんは「雨なんか降ったの?」などという。
確かに新宿あたりまで帰ったら、街が乾ききっていた。
すぐにPCを開いて青森線の運航状況を確認したら、
朝1便は定刻より早めに青森に着陸していた。
自分ではうまくリスク管理をしたと思う。
だけどカラ回りしたような1日だった。
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