空のコラージュ
仕事の資料として買う本は別として、
買ってから読むまで数年間という本はザラだ。
だから話題の本も周回遅れで「面白いね」とか。
最近読了した城山三郎の「ゼロからの栄光」なんか
初版1970年だよ。川西から新明和にかけての企業小説。
いつだったか、古本で買ってホコリをかぶっていた。
企業小説とか伝記小説とか、たまに神話すら(笑)
事実と混同するアホがいるから注意が必要なんだけど、
当時の雰囲気はたぶんよく伝えているように思えた。
「飛行機は儲からない」って、昔からそうだったのか(涙)。
だからこそ新明和の航空事業が今でも生き残っていて、
最近はまた若い人が頑張っているのは小説なみにすごい。
「飛翔への夢」(2016)は飛行をテーマにした作品集。
600ページもあるけど、ほとんど読んだことがあったので
改めて読んだのは数分の1程度。
この手の作品集では、
酣燈社の「空のコラージュ」(1978)がすごかったけど、
残念ながらそのときのような驚きはなかった。
自分の感性が老けてしまったせいもあるのだろう。
「空のコラージュ」は大学時代に読んで、
ケサランパサランという言葉もその収録作品で知った。
今江祥智さんの「あたたかなパンのにおい」という話で、
宇野亜喜良さんの不思議なイラストがついていた。
そこになければ一生読まずに終わっていたような物語。
飛行機マニア向けに出した本(?)に、
「こんなのもあるんだよ」という作品もまぎれこませて、
よく企画を通せたなと今でも驚いているし感謝もしている。
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