南方郵便機
あいかわらず風呂に入りながら本を読んでいる。
いま読んでいるのはジャン・メルモーズの伝記。
サン・テグジュペリの本で知ってはいたし
(堀口大學さん訳ではメルモスと表記)、
佐貫亦男さんも「空のライバル物語」で紹介しているが、
人物像としてはほぼイメージできていなかった。
そういえば日野熊蔵さんも伝記を読むまではそうだった。
意外だったのは、ポンコツのブレゲー14の存在感。
フランスとアフリカを結ぶ郵便機として酷使されていた。
以前は漠然とシムーンのような機体を想像していたけど、
実は第一次世界大戦の爆撃機を改造した旧式機だった。
当時でも砂漠を渡って飛ばせるような信頼性はなかったが、
整備士とパイロットが苦労しながら飛ばし続け、
しばしばパイロットの命と共に失われた。
そういえば宮崎駿さんが一連の新版に描いた表紙は、
ちゃんとブレゲー14のようだ。さすが。
トゥールーズのホテル・グランバルコンも登場する。
僕も一度だけ泊まったことがある。
サン・テグジュペリの定宿としか意識していなかったけど、
レストランに飾られていた写真はメルモーズだったのか。
畏れ多いところに泊めていただいたものだと改めて。
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