トリミングがデフォルト
僕がカメラの視野率100%にこだわらず、
トリミングは悪だなどと考えることもないのは、
フィルム世代の人間だからかもしれない。
安い機械焼きのカラープリントを依頼すると、
問答無用で周辺部がカットされてしまったから、
視野率100%ぎりぎりで撮っても意味がなかった。
モノクロネガから自分でプリントするときにも、
トリミングはきわめて普通の手順だった。
そもそもフィルムと印画紙の縦横比が違うのだから、
イヤでもトリミングせざるをえないのだ。
ポジは管理のしやすいマウントを基本にしたが、
これも周辺がマウントで隠されて事実上のトリミング。
もちろん必要に応じてマウントを外せばいいのだが
マウントで見てちょうどいい写真の方が面倒がなかった。
今のスキャナーでも取り込み範囲は原版より小さい。
マウントで見える範囲よりもさらに小さいのだ。
いちいち調整してすべて取り込むこともできるけど、
面倒なのでたいていはそのままスキャンしている。
デジタルになっても、写真を雑誌などに掲載するときには
レイアウトに応じて写真はトリミングされる。
つまり写真というのはノートリで使われることの方が少ない。
だからトリミングに神経質にめくじらを立てる人を見ると
「まあ勝手にこだわってください」と思うと共に、
面倒くさそうだからあんまり近づきたくないなとも思う。
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