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2007/01/04

ホッピング・ファイター

Xfy1pogo01

米国立航空宇宙博物館シルバーヒル集積場に保管されていた
米海軍の試作VTOL戦闘機、コンベアXFY-1ポゴ。
いわゆるテイルシッターVTOLで上向きに離着陸する。
飛ぶことは飛んだが、もちろんモノにならなかった。
離陸はともかく、着陸はバックで降ろす。
しかも米海軍だから狭くて揺れる甲板に。まったく御愁傷さま。
おまけにV-22オスプレイなどのティルトローター機と違って、
プロペラがヘリのローター的に機能してくれるわけではない。
これは、まったくもって「ただのプロペラ」でしかない(と思う)。
とするとホバリング時のコントロールはどうしていたのだろう。
ハリアーのような姿勢制御用空気噴射口はなさそうだけど、
猛烈なプロペラ後流だけで、けっこう舵はきいたのかな。

ちなみに、いちおう戦闘機だから、武装も予定されていた。
20ミリ機関砲とかロケット弾とか。でも機関砲、どこにつける?
自分で撃った弾が自分のプロペラに当たらないようにする
プロペラ同調機銃は第1次世界大戦中には実用化していたが
コントラペラ(二重反転プロペラ)だとけっこう大変そう。
…実は主翼端のポッドに収めることになっていたらしい。

ところでポゴっていうかわいい名前、
たぶん「ポゴ・スティック」からとられたものだ。
日本ではホッピングと呼ばれた、ピョンピョン跳ねる遊び道具。
いかにも飛ばなそうな名前、よくまあつけたもんだ。
ま、ライバルのロッキードXFV-1の愛称もサーモン(鮭)だから、
せいぜいジャンプする程度という意味では五十歩百歩。
そのせいじゃないだろうけど、どちらも実用化されずに終わった。

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